大波の会 日記

「動物の適正譲渡講習会」参加レポート

先日、「動物の適正譲渡講習会」というがありましたが、一般人の参加は無理だったので残念ながらあたしは行けなかったのですが、愛玩動物飼養管理士であるスタッフが参加してくれたので、どういった内容だったのかをまとめて貰いました。

******** 以下、参加スタッフのレポート ********
環境省主催の「動物の適正譲渡講習会」に参加しました。
事前に定員は100名だと聞いていたのですが、会場は超満員で、福岡県や静岡県など遠方からの参加者もおられました。
参加者のほとんどが行政の動物関係担当の方で、朝10時から夕方5時まで1日びっしりだったにも係わらず、皆さん、とても熱心に受講されていました。

テーマは「譲渡事業における民間との連携について」。

JAHA認定家庭犬しつけインストラクターの矢崎先生の講義の後、東京都動物愛護相談センターの方から具体的に民間と連携しながらの譲渡事業活動に関する発表、矢崎先生と同じくJAHA認定家庭犬しつけインストラクターである羽金先生から全国各地の民間との連携事例についての説明を受け、パネルディスカッション、グループワーク等、内容盛り沢山で実に有意義でした。

具体的には、午前中、矢崎先生の講義が以下の内容でありました。
行政の現状として、多くの場合、扱う業務の範囲が広く、「愛玩動物だけを専門的に扱う」というのは難しいにも係わらず、愛玩動物に関する業務も多岐に渡り、マニュアル化しづらいという問題を抱えている。
また、誹謗中傷に最もさらされやすいというのも事実である。(身に覚えのある方おられませんか・・・?)
実際には充分評価される取り組みを行っている場合でも、悲しいかな、それが一般に浸透していない、PR下手、PR不足であり、もっと啓蒙活動が必要である。

確かに動物愛護の考え方というのは人それぞれであり、「かわいそう」という気持ちがわくのも当然のことである。
ただ、動愛法における「動物愛護」の目的はあくまでも人間のために動物愛護の良俗を保護しようとするものであり、人間の福祉や存在を第一に考える立場であることを忘れてはならない。
行政はこの法の下に業務を行っていること、行わねばならないのだという理解が必要である。

一方、動愛法に「犬及び猫の引取り並びに負傷動物等の収容に関する措置」や「保管動物は、適正に飼養及び保管し、できるだけ生存の機会を与えるように努めること」という条文(第35、36条)があるように、殺処分を奨励するものではないことは確かである。
当然ながら、行政側も「できるだけ殺処分はしたくない」という気持ちを持っている。
では・・どうするか?

第一に収容動物を減らすこと。
そもそも・・なぜこんなに多くの動物が収容されるのかを考えてみると、
・飼い主教育 (共通のルール作り)
・動物取扱業者への指導 (業界の意識の底上げやアフターサービスの徹底)
・捨てさせない工夫 (なぜ捨てるのかリサーチして対策をとる)
・不妊手術の徹底
などの必要性が挙げられるだろう。
特に、不妊手術については最も有効となる訳だが、そのためには獣医師会の理解や協力がとても重要。

と同時に、収容動物の譲渡数を増やすことで効果が発揮されるのだが、現在の行政の多くは、予算も時間も職員もスペース等もないという状態だろう。

それなら民間の力を借りればいいのではないか。
ところが、行政の方の愛護活動家の印象は、ぶっちゃけ「いつも感情的で非難ばかりされていて面倒なトラブルが起きそう」といった感じではないか。
(参加者に、「民間との連携をしている、或いは、考えている」方の挙手を求めたところ、少なかったです。)
その反面、「民間の譲渡条件のレベルの高さ、アフターフォローを含む1頭1頭に対する細やかなケア」は、行政ではとてもかなわない、非常に有効なものである。

そこで、行政側が業務を整理して、民間(ボランティア)の協力を求めやすい
・動物のケア (日常の世話など)
・アフターフォロー
・社会復帰へのトレーニング (引き出し)
などから始めることを提案。

また、民間(ボランティア)は、市民への仲介者となり、行政の不得意なPRや啓蒙活動を補ってくれる「行政のスポークスマン」になってくれる。

ただ、動物愛護活動家といっても
・シェルターを持つ、複数の人が所属する団体
・シェルターを持たない、複数の人が所属する団体
・個人活動家
・特定の犬種のみを扱うブリードレスキュー など
特徴も各々の力量(レベル)も様々であるため、行政と民間との業務の線引きを明確化し、誠実で正直な態度できちんとした方向性を示し理解を得、書面で細かい部分まで確認し、あくまでも行政側が主導権を握る等々・・注意点やノウハウについての説明が行われた。(ここでは省きます。)
結果、民間との連携は、行政の仕事量を減らし、働きがいを増やし、市民からの賛同を得やすくすることに繋がる。。
故、積極的に活用していきましょうという結論。

個人的には、民間の立場として「個人の動物愛護と国としての動物愛護の考え方は違うということを理解する」「かわいそう、かわいいといった感情を超えた冷静な動物愛護の理念を持つ」ことが必要だと思いました。

次に、実際に民間との連携を行っている東京都の方の発表があり、具体的に譲渡事業の実施方法や、譲渡対象団体の選定基準や遵守基準、誓約書の内容等の説明がありました。
現在、23団体(個人も含む)が譲渡対象団体として登録されており、収容頭数、譲渡頭数、処分頭数の推移についても話がありました。

更に、団体譲渡の問題点としては
・団体に対する様々な苦情がセンターに寄せられる (金銭面、譲渡条件、一時飼養施設等)
・譲渡団体での長期保管(団体で譲渡できずに長期間残留するという問題が起こっている)
・新規参入団体の対応(登録を希望する団体が多く、より厳正に選定する必要性がある)
といったことがあるようです。

羽金先生からは、全国で既に実施されている次の5つの連携のスタイルについて、それぞれ、説明がありました。
1)既存団体との連携 : 神戸市動物管理センターとCCクロや、松本市保健所のネコ部会について
CCクロについては全国初の官民一体事業として有名ですが、松本市保健所のネコ部会の特徴として、「ねこのニャンでも相談」の定期的な開催や地域猫活動支援といった譲渡以外の対応も行っている。
また、譲渡に関しては、施設が整っておらず感染症等の恐れがあるため、保健所を通さずに直接ボランティアへ引き渡す方法が採られている。

2)個人ボランティアとの連携 : 岐阜市保健所や和歌山県動物愛護センターについて
岐阜市保健所では「畜犬管理センター」に収容できないほど子猫が多いため、離乳後の子猫に限り飼育を現在3名おられる個人ボランティアに依頼しており、1匹1日300円(14日間を限度)の謝礼金が出る制度を設けている。
和歌山県動物愛護センターは、センターがコーディネーターとなって譲渡犬猫の飼い主による組織(わうくらぶ)を結成し、適正飼養を普及するため活動を行っている。

3)行政主導型のボランティア育成 : 大分県
大分県では民間(ボランティア)団体がなかったため、県獣医師会に業務委託してボランティアグループを結成し、子犬の譲渡活動サポートや猫に関する活動、クリーン活動などグループ毎に様々な活動を行っている。
また、大分県獣医師会は、平成19年度から譲渡された子犬の無料健康診断や、譲渡された子犬(メス)の無料避妊手術の経費を全額獣医師会負担で始めており、マイクロチップの義務化(経費は飼い主負担)も行っている。

4)NPOへの委託 : 宮崎県
愛護センターを持たなかった県が県民の要請に基づき、平成20年に3年間のモデル事業として犬猫の譲渡サポート事業をスタートした。現在は県からの委託料で、譲渡会が毎週開催されている。

5)民間企業への譲渡 : 埼玉県動物指導センター
これは新しい取り組みとして、平成20年にイオン系列のペットショップと成犬の団体譲渡での連携。もちろん非営利。

その後、質疑応答を兼ねたパネルディスカッション、自治体間の情報交換を兼ねたグループ討議を行って終了した。

その他、子犬と子猫の適性譲渡ガイドや12月に開催されるという譲渡犬(成犬)の適性テスト等の実施方法の資料などをオマケ(?)としていただきました。
子犬と子猫の適性譲渡ガイドについては、オールカラーで見やすく、写真が多用されていて分かりやすく、情報が満載で、とても参考にもなり、個人的に有り難いものでした。

(以上)

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バザーに出店します。
場所:京都市役所前広場
日時:12月6日(日) 10:00~16:00
皆様是非お越し下さい。
(ブース番号は当日にならないとわかりません)

また、商品が少なくなってきています。
頑張って売りますので、是非とも物資のご協力よろしくおねがい致します(送り先等の詳細は下記HP参照下さい)。
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★山の猫の避妊去勢手術基金にご協力をお願い致します★

振込先
★郵便振込み★
00960-8-45875  大波の会

その他の振込先はこちらをご覧下さい
詳しくはこちらの記事をご覧下さい。
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皆様からの温かいご支援をお願いしています。
是非大波の会ホームページもご覧下さい。

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by onaminokai | 2009-11-28 20:23 | お知らせ
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京都を拠点とする犬・猫のレスキュー日誌
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