人気ブログランキング | 話題のタグを見る

大波の会 日記

脱走犬

ここの所、ほぼ毎日ある犬の捜索で滋賀県に通っている。
里親さん宅の、娘さん宅の庭から逃げ出した犬です。

ややこしい話になりますが、本当はお母さん宅(もともと個人活動をしていた7年以上前になるかなぁ・・・保護犬の里親さんになってくれた方で、その犬が死んで1年以上たったころに、また犬を飼いたいと申し出をしてくださっていたのです。)に譲渡したのですが、お母さんはあまりにも怖がりでなつきの悪いこの犬を不憫に思い、悪気はなく自分ちよりも娘宅のほうが犬のためにいいと思って、私たちの了解を得ず、事後報告で引き渡されていたことで起こってしまったことだった。

何度か直接確認に行きたいとお願いするも、娘さんがお仕事でほとんど留守がちだということもあり、なかなか会えず、日が決まらず、延び延びになっていた。

もともと飼い犬であっただろう子で、捨てられたのか長い間山で暮らし、時々人に食べ物をもらって生きていたと思われた子で、捕獲檻にかかった犬ということで、スタッフの一人が保健所での殺処分寸前で引き上げた子だった。
当初間もなく生みそうなくらいに大きなおなかで妊娠をしていたのです。
産ませてやりたくとも、この子のことすら今後を考えると厳しい状態で救うのが精一杯な現状の中、これ以上不幸な命は生み出すわけにも行かず、泣く泣く堕胎をし目の前のこの子を生かす選択をした。

本来は子育てをし、母犬となるはずのそんな子だったから関わったあたしたちはとても不憫に思ったけど、何とかその子を助けたスタッフが友人のお宅に預かってもらいながらお世話に通い、里親さんを見つけるのは厳しい状態だったけど、少しずつ心を通わせていくことで、ずいぶん慣れてきた様子だったので、そろそろ新たに里親さん探しと移動も考えていたころだった。

その方に聞いてみようと思って確認を取ると、是非ともということでしたので連れて行ったのです。
何度か様子を聞いたり見にいったりしても、スタッフ友人宅にいたことを思うと、なんだかやはりまた、もとの引きこもりの状態になっている気がしたし、もしこのままの状態が続くようならいったん引き戻させていただきたいとお話をしていたのですが・・・・

結局その後、娘さんが自分のほうで飼いたいと言う運びになっていたようでした。
もちろん勝手に譲渡はしてはいけないということはご存知だったはず。

そして、娘さん宅でも引きこもり状態が続き、引き取りたいとお話もしていたのですが、、、
もう少しがんばりたいと言われ、こちらはとにかく家に行きたいということで、なかなか話がまとまらず、なかなか電話連絡もままならず2ヶ月半。
やっとお母さんが電話に出られたとき、様子がおかしかったので、何かあったのだとすぐにわかった。

聞けば、前回電話で「娘さん宅に行きますので予定を聞いてください」と話をした、数日後、脱走していたということだったのです。

忙しさにかまけて、先方の返事待ちなんてしてたからこんなことになってしまったのです。

もっと強引に、お母さんの家に行って、娘宅を案内してくれと言っていればよかった。

都合なんて合わせず住所だけ聞いて、夜にでも勝手に行くようにすればよかった。

お母さんとは長く知り合っていたけど、娘さんのことは「知らない人」ってこと、あたしが1番よくわかっていたはず。

後悔先に立たず。 悔やんでも悔やみきれない。

2つ首輪もさせていって、迷子札も外れないようひつこく注意していたのに、娘さん宅では首輪すら取っていたということで、かなりお母さんを責めてなじった。

逃がしたことより、すぐに知らせてもらえなかったことが何より腹立たしかった。

もちろん娘さんに対してもかなりなことを言ってしまった。

あたしは何も知らず、特に捜索もされず(チラシは作っていなかったものの自分達だけでは探していたようでしたが・・・)、あの子が死ぬか生きるかというときに数ヶ月も無駄に過ぎ去っていたことが許せなかった。

でも結局それもすべてあたしの甘さだったということ。

自分のミスに違いない。


即行動して話が違うと引き上げていたらこんなことにはならなかったはず。

過信してた自分が悪い。

自分にいらつきながら、、もう3ヶ月ほどたつのに今更だけど、何もしないで「ああそうですか、それはもう仕方ないですね」なんて簡単にあきらめきれるわけもなく、とにかく自分にできることを1からやってみることにした。
すでに数ヶ月経っている事が最大の壁だったけど、
とにかく自分が動くしかないって決めた。
スタッフにも何人か協力して手伝ってもらって、チラシを作って、ラミネートをしたものを娘さんに渡してとにかく配って、あちこちに張るように言った。
あたしもとにかく現地で会う人に配り、人目につくところにチラシを張り、とにかく滋賀県に通った。

何とか奇跡のようなことが起こってほしいと強く願いながら。
そして1週間くらい経ったころ、初めて情報が来た。
「チラシを見ていたのでいつも気にしていたのですが、たまたま今日犬が1匹で歩いていたのでおかしいなと思い、もしかして・・・と思って近くに行って画像を取ろうとしたら、こっちを見たので顔が見えたけど、空き家?に逃げていったようです」と。

場所の地理が全くわからずなかなかその場所にたどり着けず、5回も6回もその方に電話をしながら何とか到着。

もともとその子を預かってくれていたスタッフの友人も同行してくれて、実は空き家ではなかったその逃げ込んだ家に行き、事情を話しかなり広い庭を探させてもらったけど姿は見当たらず。
がっくりしながらも、そのあたりを探し回り他の目撃情報を拾うため二人で歩き回った。
途中飼い主である娘も合流して他に聞き込みに回ると、またその辺りにいくつかの目撃情報が出てきた。
写真を見せると、この犬だって言う人も出てきた。

その後、違う通りでも目撃情報が出て、それは数ヶ月前から見るようになったということで、時々ごみをあさっていたりしているということだった。
画像を見せると「間違いないと思う!この犬だとおもう。」って。
そしてその方たちはほとんど毎日見かけるというので、フードやおやつを渡してしばらくやってほしいと伝えた。

そして数日前、その犬がいるということでフードを渡してる人からの連絡で飼い主にすぐに行ってもらったのです。
ちょうど犬に出くわすことができ、その子がやはり逃げた犬の『そらちゃん』だということを飼い主が確認。

奇跡の再会だったのですが・・・・

最悪なことに、飼い主が呼びかけてもスーッと逃げていってしまったのです。

その後、置きえさはいつもなくなっているけど、姿は見ていません。

はじめに見かけたという目撃情報のあった場所は、そらちゃんと飼い主のいつものお散歩コースだったということでした。

もっと早くチラシを作ってまいていれば・・・・

そらちゃんは飼い主の呼びかけに答えたのだろうか・・・
飼い主の自宅からは徒歩15分くらいの場所。
車ならほんの数分。
うちに帰れないのは、ちょっとした危険な通りを横断しなければいけないため?
それとも帰れるけど帰りたくないの。。。。?
人間不信の犬を里親さんに出すということは本当に難しい。

預かり宅で心のリハビリをしたところで、また場所が変われば犬は裏切られたと思うのだろうか・・・
また引きこもりが始まることもある。

あくまでも一方通行の人一倍の愛情を注ぎ、話しかけ、触ってやる。
どんなに嫌がっても少しづつ少しづつ心底愛情を持って接していくことで、ほんの少しづつ変わっていくはず。
怖がり嫌がることで「あえてそっとしてやる」とか、そのまま「なるべく一匹にさせよう」と思っていると、いつまで経っても絶対になつかない。
山の犬や、人間不信の子はそう簡単に心は許さないのです。

あの子にはやっぱり、同じ犬が必要だったのかもしれない。
人と犬をつなぐ人馴れしているおとなしいやさしい犬が。
そうすればもう少し楽しく毎日が過ごせていたのかもしれない。

これからが長期戦。

どうやって、捕まえるか・・・・

飼い主を思い出して呼べば来るようになんてなるだろうか・・・・それは疑問。

あの子にとって飼い主はどんな記憶として残っているのでしょうか・・・

ましてやあたしたちのことなんて・・・・

どこでいったい寝ているんだろうか・・・・

寒い冬が来る前に何とか捕まえてやりたい・・・・・

どうすればこの思いが伝わるのだろう・・・・(伝わるわけないよねぇ・・・・)

ねぐらさえわかれば、捕獲の方法もないわけではないんだけど。

とにかく、やるしかない!

会えるか会えないかはわからなくとも、会えることを信じて会いに行くしかない!

本当によく生き延びていてくれた。

生きていてくれたことがただうれしい。

いったいどこにいるの?

この広い空き地? 山? このお墓はよく通る道らしい。

せめてお腹だけでも満たされるよう、ご飯はおいておくからね。

今のあの子にとって何が望みなのだろう。

心底知りたい。

脱走犬_f0146804_20433364.jpg

脱走犬_f0146804_20434211.jpg
脱走犬_f0146804_20435159.jpg


****************************************
緊急:ご協力のお願い
ここのところ、会の活動以外に皆それぞれに関わっている活動が一杯一杯となって非常に金銭的に厳しい状態となっています。
特に必要な物と致しまして
★ヒルズのa/d缶
★ウォルサムのセレクトプロテインのブルーホワイト&カペリンのドライフード及び缶詰
★ウォルサムの満腹感サポート

全て療養食となっていますので、決してお安いものではありませんので心苦しいお願いではありますが、どうぞご協力をお願い致しますm(__)m
P.S. 猫フード&缶詰は常に大量に募集しています
***************************************
皆様からの温かいご支援をお願いしています。
是非大波の会ホームページもご覧下さい。

by onaminokai | 2009-09-07 20:45 | 活動日記
<< 捜索 ペット禁止条例に対する意見のお願い >>



京都を拠点とする犬・猫のレスキュー日誌

by onaminokai
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カテゴリ
以前の記事
2020年 12月
2020年 09月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 01月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 03月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 09月
2018年 06月
2018年 04月
2018年 02月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 03月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
最新のトラックバック
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧