人気ブログランキング | 話題のタグを見る

大波の会 日記

まりもに捧ぐ

毬桃・・・・

その後、もう向こうの世界には逝ってしまったのですか?
あの日あなたを死なせてからずっと気になっていたことがあります。
あの日、あなたは何の苦しみも痛みもなく本当に穏やかに逝けたのでしょうか?
ただそれだけが、気がかりでした・・・
(2009・12・3の記事→こちら  2009・12・5の記事→こちら 参照)

まりもが逝ってからもう3ヶ月が過ぎた。
今なら『まりも』との、いろんなことを少しは思い起こせるようになった。
自分のしたことにきちんとけじめをつけたかったこともあったけど、どうしても、なかなか・・・・これが書けなかった。

でも、もう大丈夫・・・・かな。

これは今後、皆さんがいつかは迎える大切な家族(動物達)との別れに対して、そして、その多くは決して楽ではない病気と闘うであろうその時、皆さんがいろんな決断に思い悩むことがあれば・・・思い出してくださればと。

そして・・・・
少しでも何かの参考になればと思い、記しておくことにしました。

あの時のあたしには、もうあの選択肢以外何も思いつかなかった。
あの時、その方法が1番いいのだとそう思うしかなかった。
本当のところは今なおわからない。
時間が経つにつれ考えてしまうこともある。

3ヶ月も経ったなんて・・・・

どんなことがあったって時間は巻き戻せないし待ってはくれない。
たとえ自分の中だけで時間が止まっても、決して、本当の時間はどんどん過ぎていく・・・・それが現実。

今まで 看取った犬達が、いなかったわけではないけど、それは保護犬や迷子犬等、途中から成犬でうちにきた子ばかりだったし、過去に子犬のころに拾った子には、死に目にも会えなかった。

今回、うちで生まれてうちで育ち一緒に暮らしてきた犬を見送るのはまりもが初めての事だった。
余りにも長く一緒にいたし思い出はたくさんたくさんあったから、ある意味一番辛い別れだった。

何より、その犬をこういう形で看取らなければならなかったことは、とても複雑でやりきれない思いもたくさんあった。

あたしが独身の頃から飼い、犬連れで何度も引っ越しをし、犬連れで結婚して、子供よりも遥かに長く一緒に暮らして来たのだから。

毬桃は避妊手術が遅かったせいもあるけど、6歳か7歳いくらいだったかなぁ・・・・
乳腺の腫瘍ができそれが悪性の癌であることがわかり手術をしたことがあった。
その時、転移しやすいからと、乳腺の全摘も薦められたこともあったけど、あまりにもそうなると傷も大きいし、痛そうだし、結局それは決心がつかず思いとどまり、転移と再発をしないようにと、あたしなりにいいと思えることはいろいろ試してきた。

その甲斐あって運良く再発も転移もなくこれたのだけど・・・

それから数年経ったころ、若年性の網膜萎縮のような病気で、確か9歳(?)くらいからだったか全く視力を失った。

そう…あの子は何年も「見えない生活」をしてきたのです。
幸い見掛けではわからないような綺麗な目をしていたし、こっちが言わないと全く誰も気づかない感じだった。
本人はずいぶん外では不自由だったとおもうけど・・・・
一時は怖くて散歩にも全く行きたがらなくなったこともあった。
だけどそれも徐々に慣れさせて、少しは動けるようになった。

目は見えなくとも、外は楽しいって・・・・みんなと行くと散歩もうれしいと感じてくれた。

目の見えない毬桃はそれだけにとても繊細で、感受性が強い犬だった気がする。
人の口調や態度を読み取り、こっちがショックを受けたり悲しんだりするようなことがあるとそれを敏感に感じ取り、同じように心配してクンクン哀しそうに泣くようなところもあったから。
それだけに、かなり心配させて精神的にダメージを負わせていたこともあったんだろうね。

こんな病気になったのも、うちで育った環境や、日ごろのお世話にも問題はきっとあったはず。
そういう意味ではかなりの責任はあたしにある。

平成6年12月22日に生まれた毬桃を15歳まで生かさせてやりたいと勝手なあたしの思いもあったけど、それはもう無理だろうと分かっていたし、もし点滴やお薬、注射等をしてやればもちこたえることもできたかもしれない。
でも病院が少し怖い毬桃にそこまで延命して、いったい何になるっていうのか…。
あたしにはその理由がどうしてもわからなかった。

毬桃の病状は日に日に悪化をたどる。
痛み止めも効いているのか効いていないのかよくわからない。
延命の理由が・・・
この世から、あたしの元から居なくならないでほしい…
ってことだけしかみつからない。

だから15歳を目の前に逝かせることになってしまったけど、正直その選択に迷いがなかったといえばやっぱり嘘になる。
わざわざ命を奪わなくとも、放っておいても一週間もしないうちに自然死が訪れたかもしれない。

だけど、たとえ死ぬ少しの間も一分一秒も痛みも苦しみも感じさせたくはなかった

-ただそれだけだった-

このまま穏やかに死が訪れてくれる保証があるというのなら、それを選びたかった。

けど それは誰にもわからないし、もしも真夜中、病院がない時間にその断末魔がやってきたとしたら…
どうしてやることもできないんです。

だから 最期にあたしが選んだことを実行にうつした。

最後にどうしてもわかっているけど、先生に聞いておきたかったことがあった。

『これは、本人は全く、苦しくもないんですよね?』

『ええ・・・・それは大丈夫だと・・・』

先生は、さすがにすぐに同意はされず、何度も念押しをされ、躊躇されました。

『ほんとにいいんですね?』

『はい・・・ずっと考えて決心したことですから』

以前からずっと病状の変化を見てもらうために通院し、何度も何度も相談し話をし、とうとうその日が来て、あたしの『本気と覚悟』にはもう説得できず先生にはつらい思いをさせてしまったけど、納得の上、医師としての任務を遂行していただきました。

-毬桃の心音はなかなか消えなかった-

死んでるのに・・・・心臓は動いてた。

死んでるから意識もない。  でも・・・・・ 

      -これが脳死-

複雑な心境でほんの少し、後悔してしまいそうな時間だった・・・・・
人にはいろんな考え方がある。
その考えも、時には揺らぎ、変えてしまいそうになることもある。
だけど、決めたことを変えてあとで後悔するよりは、決めたことを実行してからする後悔の方がまだましだとあたしは思った。

自然死、安楽死、尊厳死・・・・言い方も状態もいろいろあるけど、誰だって、大切な家族を苦しめたいわけはない。

人間はどう願っても日本では認められない安楽死。
動物にはそれは認められていて唯一苦しませずに逝かせることができる方法。
愛するがゆえにできないこともあるけど、愛するからこそ、しなければならないときもある。

なぜなら、苦しみをなくせる方法を知っているのも、それが実行できるのも人間なのだから。

もしもあなたが、自分がもう治らない不治の病で、毎日少しずつどんどんしんどくなっていって、痛みや苦しさが時折襲って来るようになってきたら、どうしたいですか?

ずっと、その痛みと戦って、苦しみぬいてでも最後の最後まで生きていたいですか?
そんな強い人間ですか?

あたしは・・・
正直真っ平、ごめんです。

早く、痛みとも苦しみとも戦わないでさよならして、適当なところで安らかに死にたいですー

痛みも苦しみもなければ死ぬのは全く怖くないし、いつ死んでも悔いの無いようには生きていたいと思うけど・・・・

残念ながら人間は早々安らかにいける方法なんてない。

だから怖い。

自分がこの犬だったら・・・・って、あたしはずっと考えた。  
自分が毬桃なら・・・・・って。
その答えがこの選択だったということ。
どれが正しくてどれが間違いだかなんて誰にもわからないけど、自分が人として同じ状態になったとしたら・・・・
あるいはこの状態のこの子だったとしたら・・・
どう願うか・・・何を望むか。
想像力を持って、考える。

それが答えだと思うのです。

自分ならこう願うけど、この子にはこうしたい・・・これは違う気がするのです。
あたしは自分は人間だからかなわないだろうけど、そう願ったから、同じようにした。

それはエゴだといわれても否定はできないけど・・・

    -後悔はしていない-

ただ・・・・・
これは経験した人にだけしかきっとわからない、とても底知れない深い切ない感情が残ることは確か。
亡くなった毬桃の真意のほどはわからないけど、病院の先生のお陰でただ本当に数秒?数十秒で安らかに眠るように虹の橋が渡れたと思います。

できることなら、いつかまた毬桃が犬として出会えたらと願う。

再会できるときまで ゆっくり楽しく遊んでいてほしい。

≪まりも・・・・

たまには夢にくらいでてきてよ・・・・
あなたの命は消えてもうこの世に存在はしないけど
いつまでも・・・・永遠に、『まりも』がいたことはあたしの心に深く刻まれる・・・・ 
うちの中で一番優しい子だった。
そして一番おとなしい子だった。

あなたの命の寿命を縮めたのはこのあたしだけど、あなたがかけがいのない家族の一員だったこと・・・
これでもあなたをずっと大切に想っていたのはあたしだよ・・・  

わかってね・・・≫


Dear 毬桃    安らかに・・・・・

****************************************
バザーに出店します。
場所:京都市役所前広場
日時:3月14日(日) 10:00~16:00
皆様是非お越し下さい。
(ブース番号は当日にならないとわかりません)
(雨天の場合は中止となります)

また、商品が少なくなってきています。
頑張って売りますので、是非とも物資のご協力よろしくおねがい致します(送り先等の詳細は下記HP参照下さい)。
***************************************
★山の猫の避妊去勢手術基金にご協力をお願い致します★

振込先
★郵便振込み★
00960-8-45875  大波の会

その他の振込先はこちらをご覧下さい
詳しくはこちらの記事をご覧下さい。

『山の猫のフードと缶詰のご協力をどうぞよろしくお願い致します』
詳しくはこちらをご覧下さい
***************************************
皆様からの温かいご支援をお願いしています。
是非大波の会ホームページもご覧下さい。

by onaminokai | 2010-03-09 20:40 | 雑記
<< ありがたい兆し 動物関連ニュース >>



京都を拠点とする犬・猫のレスキュー日誌

by onaminokai
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カテゴリ
以前の記事
2020年 12月
2020年 09月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 01月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 03月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 09月
2018年 06月
2018年 04月
2018年 02月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 03月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
最新のトラックバック
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧