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大波の会 日記

DEAR マロ

マロはあたしにとっては『特別な存在』だった。
マロがいなくなってもう20日が過ぎ去ろうとしている・・・・・

どの犬にも、それはそれぞれに思い入れはあったし、もちろんどの子も同じように愛情だけはかけてきたつもりだったけど、マロは… あたしにとってはいるのが当たり前で、どの子よりも歳はとっていたけど、どの犬よりも先に死ぬ気がしてなかった。

『死んだ』のがマロだということがあたしの中ではどうしても結び付かずにいた…。

ずっと、誰よりも永くあたしと過ごして来たのです。

あたしが実家を出たのが18の時。
親とも18年ほどしかいなかったのに・・・・。

知らない都会で一人暮らしをはじめて数年たった頃、寂しくてどうしても犬と暮らしたくて、自分の働いていた店に頼んで犬を見つけて貰って、自分の給料で自分の責任で飼いはじめた初めての犬だった。

飼い始めの頃は躾のためにと気合を入れて、かなり休みをまとめてとって大変だったけど、それが楽しくて夜遊びも減った。

どんなに出歩いていても(今思えば小さい頃は寂しい思いもさせたけど)出かけていても、きちんと夜にはマロのご飯のために一旦うちに帰り世話をして、眠ったころからまたでかけたりして・・・
家に人を呼ぶ事が増えたけど外泊もしなくなった。
家に帰るのが楽しくなった。

すべては犬のため - マロ中心に生活を合わせた。

マロは甘えたくてもうまく甘えられない、甘えるのが下手な犬で、遊び好きで、明るくて元気いっぱいで、いつも好奇心旺盛で・・・
素直じゃないし、あまのじゃくで・・・・
子供も何度か生んだけど、ほとんど子育てしないで、ふらふらして、母性本能のあんまりない犬で、母犬らしくない
どちらかというと子犬が苦手な犬だったし、よその犬もあんまり好きじゃなかったみたい。

旦那は  
  マロを見て ≪マロはおまえにそっくり≫だと言っていた。

引っ越しを趣味にしていた独身の時のあたしは、次々と住居を変わり、その度にマロを一緒に連れて行った。
一度、どうしても住みたい物件をみつけて、でもそこはペット不可だったことがあり、それでも住みたくて、結局マロも一緒に連れて行き、5ヶ月ほどでなんとなくばれて気を遣うのも嫌だったし、やむなくそれじゃあ・・・仕方がないと叉引越しをしたことがあったけど、どんな時もマロと離れて暮らすことなんて全く考えなかったし、けっして離れることはなかった。
マロは、そんなあたしの趣味を物怖じすることなく、むしろ同じように好奇心満々であちこち嬉しそうに探検して付き合ってくれた。

よくおもちゃで遊んだり、お風呂に入れていたので、いつまでも遊びが大好きで、16歳になっても遊んでやればそれに乗ってくれた。
何よりもお風呂で泳ぐのが大好きで、シャンプーしたりすると自ら湯船に飛び込みいつまでも上がろうとしない疲れ知らずの変わった犬だった。

だからよく海にも連れて行った。

一度冬の横浜の海に連れて行った時、リードが離れ本気で防波堤から飛び下りようとしたことがあり血の気が引いたことがあった。

それから友達のマンションに連れて行った時、勝手にベランダの網戸を開け、エアコンの室外機の上からベランダの上の手すりに登っていて、わずか20cmほどの所にいて、登った時にはマロ自身が一番あせっていたと思うが、固まっていた。
どうしていいかわからずあたふたして、あたしはその光景に呆然として半泣きになりながらも、冷静に神様に祈るようにとっさに言った事が、『待て!』だったっけ。

あの日のために『待て』で動きを止める躾を完璧にした甲斐があった。
でも、あの時一歩でも動いてたら完全に命は無かったはず。
なぜならそれは五階だったから。

あの時マロが助かったのは奇跡だったにちがいない。

いつだったか、ドライブの大好きなマロは窓から少し顔を出して、いつものようにちょっと偉そうに風にそよがれながらお得意の立ちポーズで乗っていた時、ロックをしていたはずの窓がマロの前脚で空き、ちょうどカーブの遠心力で窓から落ちてしまったたことがあった。

でもこれも運良く住宅街だったために車がなく、スピードもでてなかったために助かった。

13歳くらいの時だったかなぁ・・・
子供が手にしていた串団子をちょっとしたすきに奪い、串ごと食べたこともあった。
子供から聞いた時にはすでに数十分経過していて、その時は団子だけ食べたのか、串も食べたのかもわからず、慌てて時間外で病院に駆け込んで吐かせてもらったものの、肝心なものはでず、結局飲んだかどうかはっきりしないまま串を飲んだとしたら時間の猶予がないため緊急オペをする羽目になった。

結果、やはり、串も飲んでいたことが判明。
危うく死なせるところだったが・・・このときも奇跡的に間に合った。

その後も、車の中に人からもらってたチョコレートの箱をかばんに入れたまま、ビニールの封もあけずに置いていたことを忘れ、ちょうどマロの診察で病院に来ていて、終わって、マロを先に車に放り込んでお会計をして話をしていたそのすきに、何とアーモンドチョコ、20個~30個くらいをほとんど全部、食べ散らかしていたことがあり、慌てて病院に逆もどり。
もちろんチョコもアーモンドも問題外!!
長い時間が経てば体に吸収する。
そんなに時間は経ってはいなかったはずだけど、慌てて吐かせてもらって、中毒症状が出ないよう処置をしてもらったことがあった。

その他にも・・・
とにかくとにかく、いろんなハプニングがたくさんあったね。

自分自身、飼い主としてどうなの?!って言うくらいあたしの不注意で、
食べ物にはとっても卑しいマロは数々の危険な事件を起こしていた。

でも、本当にいつもいつも奇跡的に命が救われてた。

なのに・・・・

今回だけはいつもと違ってた。
そう、奇跡もラッキーもそうは何度も続かないってこと。
あたし自身が一番わかってたはずだったのに・・・

マロが下痢をした時、たまにするいつものものかと、簡単に考えてた。
ご飯を抜いて様子見をしていればいいかな・・・・って、薬しかやらなかった。

ブーの体調が急変した時も、主治医の先生が休みだからとマロは明日にしても大丈夫だろうと後回しにした。

完全にたかをくくってた。

マロはまだ元気だし・・・って、何の根拠もない過信だった。
比べる対象自体、まちがってた。
ブーやんは相当状態がひどかったのにね。

次の日2匹の診察を受けて、ブーはもう病院に預けるのも危険な状況だったから、連れて帰ってくださいということで、マロはまだそれよりは、≪まし≫というだけだった。
はっきり言えば、マロも危ない状態だった。
半日預かりで、点滴をしてみて結果考えましょうと言われ預けた。
夕方ちょっとましになってきたので、もう少し預かって状態見たほうがいいかもしれないということだった。

吐いたり下痢がひどく、血便になってきたりした場合、そういうときに、年齢のせいで腎臓自体が悪いのに絶食するということは、腎臓にかなりの負担をかけるということだったようで、あたしは初めて、もっと早くに点滴に連れて行かなかったんだろうと悔やんだ。
脱水もあったし腎不全状態だった・・・・・

マロは結局2日入院をして、あとは毎日通いで点滴をして・・・・
2日後のことだった。
その日も点滴に通っていたけど、体調が急変してきたのは夕方ごろだった。
呼吸音がおかしくなってきて、、苦しそうになってきた。
先生に事情を話し、このままひどくなるようだったら、楽にしてやりたいと告げた。

先生は、嘔吐したものを誤嚥して、肺炎状態になっているかもしれないというので、何とかならないのかと訴えたものの、もう点滴もこれ以上は吸収できなくなってきているようだったし、もしもう他にできることがないのだったら・・・と、覚悟して言った。
先生は、明日の状態見て考えましょうということだった。

マロはあたしが着ていた洋服がすごく好きだった。
脱いだセーターなどを置いておくと、すかさずいつもマロがその上に乗って寝ていたことを思い出し、フリースを引っ張り出して一旦着て、それを脱いだものをかけてやった。

ただただゆっくりさすってやることしかできず、明日までの恐怖の長い時間をすごすことにした。

それからいったいどのくらいの時間が経っただろう・・・
結局マロの状態は楽そうになるようなことはなく、呼吸はお腹でしている感じで、眠ることもできないのか目はしっかり開け、時折、痛いのか、苦しいのか何ともいえない哀しそうな声を出すこともあった。

もう起きることも厳しい状態になって、起きようとしてもふらふらして、足がもつれた。起きられない状態のまま血尿をした時、もうだめかもしれない・・・・そう思った。

それから数時間後、マロは、旦那の帰りをしっかり頭を挙げて確認し、それを待っていたように、死んだ。

           -4月11日午前12時30分頃だった-
   
       旦那はマロから目を離して見ていなかった時だった。

        そしてあたしはその時マロのそばにはいなかった。

同じ部屋にいながらなぜマロをなででやっていなかったのかと旦那を責めた。

         -自分はその部屋にさえもいなかったくせに-

    
結局うちの老犬の中でマロが一番長生きするはず・・・・そんな思い込みはみごとにはずれた。

マロをたとえ1日でも他の子より長生きさせて、他の子を気にせず、ずっと甘えさせてやりたかった。

結局マロを苦しいまま逝かせてしまった。

病院で入院中に逝かせずにはすんだけど、

やっぱり不安な気持ちで逝かせてしまったことには違いない。

マロも年齢には勝てなかった。 

いつも元気な子だったから、甘く見すぎた。

かなりの歳だったのにもっと早くに対処するべきだった。

老犬は、元はちょっとしたことでも、それが命取りになるっていうこと。

人間も高齢になると、元気でもちょっとした風邪から肺炎になって死に至るように・・・・

ちょっと体調が壊れてきたら建て直しができなくなる年齢だったこと・・・・
       
あたしが一番忘れてた。

マロはまりもとブーやんのお母さん犬
        
最後にブーやんに少し寿命をあげて母犬らしく逝ったのかな・・・・

いや、マロは、本当は自分が一番長生きしたかったはず。

でも・・・それが叶わなかったし、できなかっただけ。   

          
DEAR マロ ・・・・

あたしにとって、子供より旦那より両親よりも何者にも代えられない特別な存在だったこと、忘れないで・・・

長い時間マロと暮らせたこと、たくさんの思い出を残してくれたことに感謝したい。

この日記をもって、『マロの死』というものに、初めてきちんと向かい合えたのかもしれない。
 
マロはもうあたしのそばにはいないし、マロにはもう二度と逢えないということ・・・

それが目の前の逃れられない現実だということ。 
                  
自分の非を深く反省し、もう現実逃避はしない。
 
二度と同じことは繰り返さぬよう・・・マロが命と引き換えに教えてくれたこと。

                      
                                    心して、前に進もう・・・・

★火葬に行った時にいた野良ちゃんの後ろ姿。
あまりにもかわいかったので。
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★まだ若くかなり元気だった数年前。
まりももこの頃はまだ発病してなかった。
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★マロのいつもの安心しきった寝姿。
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★たぶん最後の旅行になるだろうと連れて行った海。
この頃マロはまだ疲れ知らずでずっと泳いでた。
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by onaminokai | 2010-05-02 20:29 | 雑記
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京都を拠点とする犬・猫のレスキュー日誌

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