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大波の会 日記

「公園猫について考える」セミナーの報告

11月5日(土)に大阪で開催されたセミナーを代表に代わり聞いてきましたので、その報告をさせていただきます。 By HP管理人
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お題:「公園猫について考える」セミナー

主催:大阪市/おおさか公園ねこの会

セミナー構成
1.主催者挨拶
2.基調講演(植田勝博弁護士)
3.ゆとりとみどり振興局報告(宮沢圭史 施設管理調整担当課長)
4.サポーター活動報告(サポーター 5名)
5パネルディスカッション
「公園エコを市民との協働で適正管理することの意義と方向性」
植田 勝博氏(弁護士、動物法ニュース事務局長、ザ・ペット法塾代表、消費者
法ニュース代表)

黒澤 泰氏(横浜市港南福祉保健センター獣医師、地域猫提唱者)

山本 葉子氏(NPO法人東京キャットガーディアン代表)

岩井 秀子氏(滋賀県動物愛護推進員、大津市所有者不明ねこ対策検討会委員)

荒井 りか氏(大阪市動物愛護推進員、中之島公園猫対策協議会代表)

山田 好一氏(大阪市健康福祉局健康推進部動物管理センター保健主幹兼健康推
進部保健主幹、獣医師)
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以下はセミナーの内容

あまり大々的に宣伝はしていなかったようだが、150名定員の席はほぼ満席だった。
主催者挨拶と基調講演の前半は、マイクの設定が悪いのか、後ろの席ではあまり
よく聞き取れなかった。
まあ、お決まりのあいさつと、植田弁護士のいつもの長話(例によって、途中で
まきが入った)なので割愛。

3.ゆとりとみどり振興局報告。
大阪市では平成23年4月1日から「公園ねこ適正管理推進サポーター制度」を
実施している。
これは「人と動物との共生」を目指すもので、都市環境の維持と動物愛護の取り
組みの両立を公園事務所と市民との協働で行うものだ。

制度の詳細は大阪市のHP内にある公園ねこのページを参照
http://www.city.osaka.lg.jp/yutoritomidori/page/0000110325.html

(正直なところ、このページを大阪市のHPから探すのは困難。もう少しわかりや
すいリンクを作ってくれればいいのにと思う)

現在、大阪市内25の公園で80数名のサポーターが活動している。

大阪市では、今のところ所有者不明猫のうち管理しやすい公園で世話をされてい
る猫を「公園ねこ」と称して制度の対象にしている。
ただ、街中にいる、いわゆる「地域猫」と差別化をしているわけではない。

4.サポータ活動報告
大阪市に登録されているサポーター5名からの現状報告

・大阪城公園の例
300~400匹の猫を管理している。
数ヶ月毎に、公園内の猫生息場所マップなるものを作って個体を把握するよう努
めている。
現状は、やはり遺棄・虐待も多い。
これについては掲示物を作成し掲示して注意喚起、情報提供を求めるようにして
いる。

他の公園での報告もあったが、ほぼ共通して言われていたことは、サポーター制
度ができ、その看板等を設置してから、市民の理解が深まって、良い雰囲気に
なってきた。
活動中に一般市民からねぎらいの言葉をかけてもらうことが多くなったとのこと。

ただ、これも共通しているようで、管理しても、やはり新しい猫が入ってくるの
が現実。

5.パネルディスカッション
関東からの出席者からは、大阪市、良くぞやってくれた!羨ましいとの感じが伺
えた。
少々まとまりのなかったディスカッションではあったが、その中で言われてたこ
とをかいつまんで、

・犬・猫がトラブルの直接原因になるケースは、実は少ない。
結局は人と人とのトラブルであり、コミュニケーション不足等が原因である。

・「猫を減らすのではなく、増やさない事」この思想が地域猫の始まり
環境省発行のガイドラインでも「地域猫」のことは記載されている。
国が言ってることですし、利用しましょうよともちかけ、皆で協力していく雰囲
気を作ることが大事。

・大津市等はこれでも都会な方なので、まだましではあるが、同じ滋賀県でも北
の方は悲惨な状況。
(子猫が生まれたら、川に捨ててくればいい...なんて平気で言う人がいる)
田舎における動物の扱いはひどく、都市部との格差が大きい。

・動物愛護法・第35条2項の内容について(例の、所有者不明の動物について
行政は動物が持ち込まれたら引き取らねばならない...うんぬんのやつ)、環
境省がパブコメを募集する予定だから、その時は是非意見を送ってほしい。

・地域猫を管理し続けるのは難しい。
避妊・去勢は計画的にやらなければ数の抑制はできない。
(5匹るけど、いま2匹分の手術費用しかないから、それだけやっておこ
う...とかではダメ)
当然、個人の力では限界があるので行政と協働が必要になってくる。
毎日しっかりと猫の面倒を見ている現場は猫が爆発的に増えることはない。

・エサやり行為自体は、法的に問題はない。
つまり、行政が「エサやり禁止」等の看板を立てる法的根拠はない。
こういった看板を行政が立てることで、「エサをやっている人=悪いことをして
いる」という悪いイメージができてしまう。
サポーター制度にすることで、猫の管理をし、エサ場、トイレ場等を定期的に清
掃することで、公園自体がきれいになる(公園の適正利用)。
「エサやり(サポーター)=社会貢献をしている人」との良いイメージになる。
世の中で、一番多いのは猫好きでも、猫嫌いでもなく、どちらにも属さないいわ
ゆる無関心層。
結局のところそういったイメージ次第で、無関心層の意見が決まるのだろうか
ら、この無関心層をいかに味方につけるかが大事。
(つまりは自分勝手で無責任なエサやりではダメで、きちんと管理をすること)

・「社会は動物を保護しなければならない」と言うような風潮に市民の目を変化
させる必要がある。
・公園猫実施場所やサポーターのリスト等は遺棄や虐待の問題もあるので大阪市
では広く公表はしていないが、問い合わせがあれば個別に答える方針。
(すでに有名になっているところもあり、それは仕方ないことだが、市としても
公表することのリスクは承知しているようだ)

以下は、本セミナーに参加してのHP管理人の感想
多少、大阪市の自画自賛的な雰囲気も感じられたが、画期的なことをやっている
という自信の表れかな。
途中、かの有名な平松市長が飛び入りで挨拶に訪れた(会場からは盛大な拍手)。
次期市長選の選挙対策もあるだろうが、このようなセミナーに市長自ら出向くの
は珍しいことではないだろうか。
(市長自信は猫を飼ったことがなく、犬好きらしい)
このあたりに大阪市の本気度が表れているような気がする。

制度が始まって半年ちょっと...現段階ではまだ制度の効果は未知数だが、現
場のサポーターの人達は、市民の見る目が良い方向に変わっていることを実感し
ているようだ。

今後色々と問題も出てくるだろうが、お役所仕事で、問題が出たから制度中止で
はなく、問題を解決してより良い制度として継続していってもらいたい。
そして、積極的に他の自治体に横展開で広めていってもらいたいものだ。
2時間と言う短い枠だったのでしょうがないかもしれないが、サポーター制度が
できてからの問題点(例えば公園猫の現場での遺棄の増加等)、それに対し今後
どう対処するのか等の意見も聞きたかったところだ。
こういったセミナーは少なくとも年一回くらいで定期開催すべきだと思う。

もちろん、このような制度だけ作れば良いというわけではなく、やはり遺棄や虐
待の定義の明確化、摘発(?)の簡略化、それに対する罰則強化等、動物愛護法
の改正も不可欠だろう。

大阪市はとりあえず一歩を踏み出した。
それは評価すべき事だと思う。

このセミナーに、他の自治体の人は来ていたのだろうか?大阪市のこの動きをど
うとらえているのか気になるところだ。


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by onaminokai | 2011-11-09 21:20 | 活動日記
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