里親募集で、高齢のため終生飼育となっていたクリン
年齢不詳とはいえ、かなりの高齢だったクリンは1年位前から、少しづつ痴呆が見え隠れするような状態で、足腰もずいぶん弱ってきて、時には倒れ、昼夜問わず夜鳴きをするというような状態が時々出てきたため、里親募集は中止として、預かり様宅にて終生飼育としてお世話をお願いしてきました(くりん保護のいきさつはこちらの記事へ)。
が、とうとう・・・ 先月7月12日木曜夜、預けていた病院にて亡くなりました。 10日の朝、預かり様から電話があり、昨日からクリンがずっと泣き続けていたようで、かなり大変な状況だったようで、その前日に留守にしたときに、クリンが庭で起き上がれなくなっていて、それでも力尽きるまで何とか立ち上がろうと必死でもがいて土や石を掘っていたために、足先が血だらけになっていたようで、どのくらいの時間その状態だったのかはわからないけど、、 すでに体は固まっていて身動きできなくなっていたということでした。 そのせいもあって、思うように動けないことがとてもストレスで、余計に機嫌が悪く、泣いていたのだろう。 少しの間、麻痺した後ろ足が、少しでも回復してまた歩けるようになるなら・・・ということも含めて、治療というか、リハビリかねて、ちょっと状況を変えて、病院に預けたいということだったので、4日ほど、様子見するために預けようか・・ということになった。 以前も預けたことのあった病院だったし、クリンは車に乗ることも大嫌いで、かなりの大騒動になることもあり、遠い距離を移動することもかなりの不安とストレスを与えるので、預かり宅から近いほうの病院にいってもらうことになったんです。 入院すること2日目。 クリンが死んだと電話があった。 夜10時以降の話だった。 次の日、病院に行きあたしたちは先生からの話を聞いた。 原因は、頭か心臓ではないかということだった。 血液検査は入院した日にしてもらっていて、腎臓、肝臓も悪いものの、それが生死にかかわるような、悪い数値ではなかったはず。 もう何度も亡くなりかけては助かって、結構ふんばっていたクリンだけに・・・・ こんなにあっけなく逝くとは、みんな思ってなかった。 どうしても最後を見てなかっただけに・・・信じられない。 正直、病院でひとりで逝かせてしまったことに・・・・・納得いかない思いが残り、悔やまれた。 先生は、クリンは特に苦しんだ様子もなく、夜も、缶詰をすこし食べてたっていってたけど・・・ それもこれも、見てないのでどうにも・・・・信じがたいことばかり。 (本当は、ここで何があって、何が起こってたの?) いつ、亡くなっても不思議ではないような年だったのかもしれないし、体力は限界だったのかもしれないけど・・・ 死に逝く、その時、そこに誰もいてやれなかったことが・・・どうしても悔やまれる。 何もしてやれなかったし、不安な気持ちで逝かせた事は、本当に申し訳ない。 クリンは保護当初から珍しいほど、ずっとアイコンタクトが取れない子で、自分の名前も決して覚えるような子ではなかった。 いかに長い間、飼い主に話しかけられることも、愛情をうけたことも無かったのだろう。 クリンは人といることより、自由がすきだったようです。 散歩が好きで、晩年は自由に放し飼いで、お庭をずっとずっと歩き意味の無いよくわからない歩き方をしてひたすら歩いていた。 長年相当頭をたたかれていたと思われ、手を上げると何よりも怖がり、びくびくし、異常なほど目をぱちぱちした。 だから人になでられることさえ望まなかったし、抱きかかえられることも異常に拒んだ。 だからクリンは自分が行きたいところにいけて、食べ物が食べれる・・・ そんな、当たり前の最低限の生活だけが幸せだったのかもしれない。 クリンの保護前の生い立ちはわからないけど、相当に苦労した子なんだろうなと思ってた。 「食べ物」だけが人間とクリンを繋ぐ唯一の信頼関係を確かめるものだったのかもしれない。 まだまだ元気だった数年前には、「食べ物」を見ると、尻尾を振ってうれしそうにはしてたなぁ・・・・ それとお散歩のときだけはとってもうれしそうだった。 でも、行ったら最後 呼びかけにも名前にも反応することなく、ひたすらひたすら走ろうとするばかりで、多分リードが放れたら「帰ってくること」、も「振り返るようなこと」もないんだろうなと感じてた。 クリンにとって、お散歩と、食べ物以外はどうでもいいことで、多分、何も、理解できてないことだったに違いない。 言葉も、愛情も、やさしさのかけらも無い世界で長年育ち、老犬になって捨てられたのか、逃げたのかはわからないけど、そこでやっと手に入れた自由だったのかなと思う。 多分よくいる散歩も無くて放置虐待のような生活を強いられてきた、繋がれっぱなしだった寂しい犬のようにあたしは感じた。 クリンは最後何を思って一人で逝ったんだろう・・・・ 最後病院に行くまでの「保護してからの生活」にどれほどの「幸せ」を感じてくれただろうか・・・・ 預かり様宅での晩年はクリンも動けてはいたものの、半介護状態だった時間。 預かり様は眠れない状態が何日も続き、それは本当に大変だったはず。 水も自らはうまく飲めない状態になりつつあったし、食事もままならなくて、食べさせてもらっていたような日々。 相当に大変な状態であっただけに、手間をかけていたものが何の予告もなしに突然そこからいなくなることのつらさは計り知れないはず。 ここまでクリンを看てきてもらえた事には本当に感謝です。 あたしの状況ではそれがしてやれなかったこと。 クリンを再度引きうける事はあたしにはできなかったことだから、クリンがそこで、ぎりぎりまでおいしいものが食べれて、好きなようにさせてもらえたことは何よりありがたかった。 クリンは先に逝って待ってるみんながいるからもう寂しくはなく大丈夫でしょう。 安らかにしばらく眠ってください。 今度はやさしい飼い主の下で一生安心して暮らせますよう心から願いをこめて・・・・ -おやすみなさい- 火葬場にて最後の画像。 【お礼】 山本様、ご寄付ありがとうございますm(_ _)m 吉田様、角谷様、フード、首輪等、皆様ご支援ありがとうございました。 *************************************** 皆様からの温かいご支援をお願いしています。 是非大波の会ホームページもご覧下さい。
by onaminokai
| 2012-08-02 21:45
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