その後の山の犬の現場について
先月7月を持ちまして、シロのいた山の現場から、大波の会は撤退することとなりました。
何とか最後に残った前脚をなくした雌の母犬(おそらくはシロの相棒だったかと・・・)だけでも助けたいと思った。 捕獲器設置・・・数ヶ月。 けど、その願いはむなしく、時間だけが過ぎて、目撃情報すらなくなりました。 病気か、もしくはまた罠にかかったのかもしれません。 数日、数週間見かけられないことはたびたびあったものの、何ヶ月も出てこないということは今までに無かった。 結局どの子も生き残れなかったということだったのか・・・ 山の生活は、それほどに厳しい現実。 何より怖いのが、 人間が山に違法に仕掛けてる野生動物を捕獲する残酷な罠だった。 あの子達の体力をじわじわと奪い、痛みと苦しみを与えながら死に至らしめる、その罠。 結局どの子も救えなかった ちょうど1年前の7月にシロを捕獲して・・・ その後、そこにいたメス2匹のうちいづれかが、シロの子であろう子犬を産み生後3ヶ月くらいで姿が目撃され、4匹ほどの子犬が増え、親らしきメス犬2匹も目撃されていたので、その子たちを何とかするべく、食料を運び、通うこと約1年。 シロを捕獲しても、あたしたちの気は休まることは無かった。 なぜなら、日々死んでゆくのか、1匹消え・・・また1匹消え・・・と姿が無くなっていく子犬たち・・・ 親犬らしき犬も不法な罠にかかってしまい、前足をなくして血だらけで現れたり・・・ そしてそのまま現れなくなったり・・・ あたし達はシロを捕獲してからは、毎日はもう通えなくなっていたので、週に数回いくだけでは、ほとんど会えないことが多く、現地の協力者様と常にコンタクトを取りながら、様子を聞いて動いている状態でした。 どんなに弱っていても、山の子犬はすばやく、早々2ヶ月も経てば人間よりも動作が速く、そうそう捕まえられることは無く、山に入られてはどうしようも手出しできないという歯がゆさがあった。 怪我をしていても、、、 その姿を見ても捕まえることができなければ、どうしてやれることもできないつらさがあり、こちらも精神状態は弱ります。 犬たちはどんなにつらく、痛くても、人間を信用できなくて、近寄ってくることすらできないのです。 ある日突然前足がもぎ取られた母犬が、びっこを引きながら子犬たちと必死に移動していたそうです。 その姿を見るに耐えないと早く何とかしてほしいと現地の協力者から言われました。 毎日現れることは無く、いつも決まった時間にいるということでもなく、本当に苦労したけど、協力者の人には、とにかくできる限り同じような時間の朝、捕獲器の中だけで、餌をやってもらうようお願いした。 何日も現れない日が続いたり、近くにやってきても捕獲器が怖くて、警戒して食べなくても、それでも捕獲器以外でやってはいけないと心を鬼にしてもらった。 とにかく、犬には、「捕獲器の中でしか、ご飯は食べれない」・・・・ そう、仕向けた。 ほぼ毎日のように、目撃情報が出だして、捕獲器の近くで、姿が見れるとなったころ、いよいよ日にちも決めて、いつごろ、扉が閉まるようにしようか・・と、その時期を見計らって、あたしたちも、徹夜での見張りの段取りも考えていたのですが・・・ 結局、何度か捕獲器の中で食べていたことはあったようですが・・・ 直接その現場を目撃したものは誰もいなかった。 ほんとのところ、捕獲器の中でご飯を食べていたのが、あの犬だったのかは定かではない。 ほとんどの事が、憶測でしかないことだったけど、それからしばらくして、姿を見せなくなったということだけは事実だった。 もうあたしたちにはどうすることもできなかった。 いつまでも捕獲器を置いておくわけにも行かない。 決断をして、線引きをすることにしました。 これ以上は・・・もう何もできない。 今後もできることはないと。 その時は保護する段取りで預かり様のご協力も得られたし、受け入れ体勢があった。 でも、もうそこのお宅にも次の犬が。 その時その時で、タイミングがずれてゆく。 もう保護できたとしても受け入れてもらえる枠は無くなった。 あの子たちにはシロのようなラッキーは残されてなかったのでしょうか・・・。 また、一つ、無力さを痛感いたしました。 長期に渡り、ご支援、ご心配くださりました皆様、本当にありがとうございました。 そしてご報告が遅れたこと、申し訳ありませんでした。 たった1匹、仲間の中でシロだけが、今・・・(いろんなことがあった中で、)暖かい預かり様の元での平和な暮らしがあります。 他の子達の分も、このまま穏やかで、幸せな暮らしをしていてほしいと思います。 -今後ともシロをよろしくお願いいたします- あきらめるしかない。 *************************************** 皆様からの温かいご支援をお願いしています。 是非大波の会ホームページもご覧下さい。
by onaminokai
| 2012-08-08 21:52
| 活動日記
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