山の犬
山に住む犬に関わって、数年がたちます。
当時山にいた犬達は6匹 これ以上増やすわけには行かない、繰り返される犬達の不幸はもう終わりにしたいと 避妊・去勢手術をするべく、関わってきました。 しかし、なかなか思うように事は進まず、かなり大変な現場となっています。 雌は2匹、雄が4匹 まずは雌から、と言う事で動いたものの、なかなか警戒心が強くて手こずりました。 その為、子犬が産まれてしまい、なんとか数日で保護する事ができ里親様を見つけました。 当時生後まだ3ヶ月くらいの子犬だったのが『チビ』。 今山に一人でいる子。 この子は捕獲に失敗して取り逃がしてしまった子で、 それ以来なかなか去勢することもできなかった一匹です。 山で産まれ、山で育った唯一の子。 チビ達の親はもう亡くなってしまった『ボス』と『ママ』で この二匹は寿命を全うしました。 ボスとママは本当に仲がよくて、ママを避妊手術してからリリース(またもとの場所に戻す事) をしたのですが、ある日突然ボスが姿を消して亡くなった後、 また一匹、と後を追うようにママも亡くなったようでした。 かなり、山を探してみたけれど姿が見つけられず、 どういう状態の最期だったのかは分かりません…。 ボスとママは、人に飼われていた経験のある子達です。 人にさんざん裏切られ、決して私達にはシッポをふらず 近寄ってくる事も無かった、頭のよい子達でした。 山の生活があの子たちにとって幸せだったのかはわからないけど 少なくとも、人と一緒に暮らしていた頃よりは幸せだったのかなと、思いたい。。。 ママを山に帰す前に。私はもう「一度人との暮らしもいいもんだ」と 思って欲しかったし、さんざんママをリリースする事を辞めようかと、悩んだけれど ママの人間に対する恐怖感は相当で、 人の足音、手、気配、全てが怖いようでプルプルと振るえ 全く人を信じようとしませんでした。 人間に相当な、怖い目にあわされたのだと思うと、 人と暮らす事は、ママにとって毎日の恐怖となるだろうと想像できたし そんな生活をわざわざさせなくてもいいのではないかと、悩みました。 結局、ママをボスのいる山に帰す事を決意した私は、 ゲージを開けた瞬間、そこで待っていたボスとの再会に大喜びで ゲージから飛び出していったママを見て、初めて 「これでよかったんだ」 と思えたのです。 そのママとボスの子供、チビはもう4~5歳になるのだろうか。 一番おちびさんだったあの子には、もう親もいなくて ついに一人ぼっちになってしまいました。 あの広い山で、これから何年、生かされていくのだろう。。。。 これから厳しい山の冬が来る。 先日チビの冬支度を終えました。 取り残されたチビのことを考えると、これでいいのかと考えてしまいます。 私はチビじゃないから、どうしてやる事がいいのかずっとわからなくて今になりましたが 仲間はいたほうが、きっといいに決まっています。 だけどあそこに犬を増やす事はありえない。 人との暮らしを体験させようか・・・。 でもあの住み慣れた場所から遠ざけることにチビの幸せがあるとは思えないのです。 今チビに、自由があって、食べ物があって、暑さ・寒さ・寂しささえなければ 結構いい暮らしができているのかもしれない。 人との暮らしのメリットはチビにはあるのか・・・ もしかしたらそれは「危険がない」って事だけかもしれない。 チビが不憫に思うのだけれど、山での捕獲は生か・死か、極端な二択になってしまう事を 考えると今はチビの死というリスクをしょってまで捕獲・去勢手術をうける 必要性があるとは思えません。 なぜなら、今のチビの状態ではそんなに長く生きる事はできないと思うから・・・。 しかし先日、その決意を揺るがす出来事があったのです。 未去勢のチビのいる山に、2匹の雌が現れたのです。 2匹は成犬で、若い。 1匹はどう見ても発情中だったのです! この現場も残すところチビだけだと思っていたのに 最悪な気持ちでした。 これが現在。預かり先・里親様募集中の茶々とクウです。 人馴れしていなければ手術をしてからリリースする予定でしたが かなり人馴れしていた事もあり、あの場所にこれからも置いておく事は やはりできませんでした。 数日考えたあげく、保護し、里親様を探す事にきめました。 2匹はとても賢く保護をしに行った時は 既に1匹の警戒心は強くなって、もう1匹は人間に虐待でもされたのでしょうか、 どうも蹴られたようで片足をビッコしていました。 人に寄って来なくなってからの、捕獲の大変さはよくわかっていましたので もう猶予はないと思い、すぐに捕獲する事に決めました。 2匹は幸い、健康でフィラリアもなく 無事、避妊手術も済み健康に過ごしています。 まだまだ若いのでしつけが必要と思われます。 若いので、新しい家庭にもなじみやすいと思います。 ペットショップへ行く前に、この子達に会ってください。 愛を必要としている子は、ペットショップではなくここにいるのです。 大波の会ホームページ
by onaminokai
| 2007-11-25 21:13
| 活動日記
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